上野殿御返事(子財書)

執筆年:弘安三
上野殿御返事(上野第卅二書)(子財書)(与四条氏書)      弘安三年八月。五十九歳作。      外一〇ノ二七。遺二九ノ一。縮一九七八。類九〇八。 女子は門をひらく、男子は家をつぐ。日本国を知ても子なくば誰にかつがすべき。財を大千にみて(満)ても子なくば誰にかゆづるべき。されば外典三千余巻には子ある人を長者といふ。内典五千余巻には子なき人を貧人といふ。女子一人男子一人、たとへば天には日月のごとし、地には東西にかたどれり。鳥の二のはね(羽)、車の二のわ(輪)なり。さればこの男子をば日若御前と申させ給へ。くはしく(委)は又又申べし。   八月二十六日                 日蓮花押    上野殿御返事 (微上ノ四七。考四ノ二四。)