阿仏房御返事

執筆年:弘安元
阿仏房御返事(阿仏房第二書)(原文漢文)      建治三年六月。五十六歳作。      外二〇ノ一八。遺二三ノ一。縮一五九一。類七六六。 御状の旨委細承はり候畢ぬ。大覚世尊説いて曰く「生老病死、生住異滅」等云云。既に生を受けて齢六旬に及ぶ、老又疑ひ無し。只残る所は病死の二句なる而已。然而正月より今月六月一日に至り、連連此の病息むことなし。死ぬる事疑ひ無き者歟。経に云く「生滅滅已、寂滅為楽」云云。今は毒身を棄てゝ後に全身を受くれば、豈に歎く可けん乎。   建治三年丁丑六月三日              日蓮花押     阿仏房 (考七ノ一四。)