衣食御書・断簡312
執筆年:弘安元年
真筆あり
尼御前 御返事
鵞目一貫給候ひ了んぬ。
それ、じき(食)はいろ(色)をまし、ちから(力)をつけ、いのち(命)をのぶ。ころも(衣)はさむさ(寒)をふせぎ、あつさをさえ、はぢ(恥)をかくす。人にものをせ(施)する人は、人のいろをまし、ちからをそえ、いのちをつぐなり。人のためによる
火ををもせば、人のあかるきのみならず、我が身もあかし。されば人のいろをませば我がいろまし、人の力ませば我がちからまさり、人のいのちをのぶれば我がいのちののぶなり。法華経は釈迦仏の御いろ、世尊の御ちから、如来の御いのちなり。やまいある人は法華経をくやうすれば、身のやまいうすれば、いろまさり、ちからつき、