富木殿御書

執筆年:文永十一
真筆あり
けかち(飢渇)申すばかりなし。米一合もうらず。がし(餓死)しぬべし。此の御房たちもみなかへして但一人候べし。このよしを御房たちにもかたらせ給へ。 十二日さかわ(酒輪)、十三日たけのした(竹ノ下)、十四日くるまがへし(車返)、十五日ををみや(大宮)、十六日なんぶ(南部)、十七日このところ。いまださだまらずといえども、たいし(大旨)はこの山中心中に叶て候へば、しばらくは候はんずらむ。結句は一人になて日本国に流浪すべきみ(身)にて候。又たちとどまるみ(身)ならばけさん(見参)に入候べし。恐々謹言。 十七日 日 蓮 花押 ときどの