上野殿御返事
執筆年:弘安四
真筆あり
上野殿御返事(上野第卅六書)(報南条氏書)
弘安四年九月。六十歳作。
外八ノ八。遺三〇ノ二四。縮二〇七一。類一〇一六。 いえのいも(芋)一駄、ごばう(牛蒡)一つと、大根六本。いもは石のごとし、ごばうは大牛の角のごとし。大根は大仏堂の大くぎ(釘)のごとし。あぢわひ(味)は?利天の甘露のごとし。石を金にかうる国もあり、土をこめ(米)にうる(売)ところもあり。千金の金をもてる者うえ(飢)てし(死)ぬ。一飯をつと(苞)につゝめる者にこれをとれ(劣)り。経に云「うえ(飢)たるよ(世)にはよね(米)たつとし(貴)」と云云。一切の事は国により時による事也。仏法は此道理をわきまう(弁)べきにて候。又又申すべし。恐恐謹言。
弘安四年九月廿日 日蓮花押
上野殿御返事
(考三ノ四三。)