上野殿御返事

執筆年:弘安三年
真筆あり
 十字六十枚・清酒一筒・薯蕷〈やまのいも〉五十本・柑子二十・串柿一連送り給候ひ畢んぬ。法華経の御宝前にかざり進らせ候。春の始めの三日種々の物法華経の御宝前に捧げ候ひ畢んぬ。花は開きて果となり、月は出でて必ずみち、燈は油をさせば光を増し、草木は雨ふればさかう、人は善根をなせば必ずさかう。其の上元三の御志元一にも超へ、十字の餅満月の如し。事々又々可申候。 弘安三年[庚申]正月十一日 日 蓮 花押 上野殿